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Vol.8 Winter 2001-2002

ブロードバンドの行方

 先日、利用しているCATV会社から電話があり、接続が中断された場合に備えてメールは毎日ダウンロードし、ダイヤルアップ接続ができるようにしておくようにとの連絡があった。

 このCATV会社は、10月に倒産したエキサイト@ホームの高速インターネットサービスを利用している。倒産後、同社とインターネットサービスの継続に関して協議をしてきたが、結局、ユーザーを自社のネットワークに移すまでの3ヶ月の間、エキサイト@ホームに料金を支払うということで合意に達した。

 エキサイト@ホームの主要株主であるAT&Tは、同社のケーブル関連資産を3億ドル以上で買収するという合意を撤回したため、85万人のユーザーは、突然、インターネットサービスが停止される羽目となった。

 アメリカでは、今年に入り、DSLプロバイダが次々につぶれ、独立系DSLプロバイダは姿を消してしまった。それと同時に、DSLの料金は上昇している。高速インターネットサービスでは、ケーブルのユーザーが一番多く、ブロードバンドの伸びはケーブルによって支えられてきた。しかし、エキサイト@ホームの倒産で、今後の伸びにかげりが見え始めた。

 高速インターネットサービス全体の伸びも、過去8四半期連続で、その伸び率が落ちている。ユーザー数は、2001年9月末時点で1000万人に達したが、伸び率は2001年に入って低下し続けており、第3四半期には14%にまで落ちた。

 ブロードバンドと騒がれるわりには、私の回りでも自宅で利用している人は少ない。私の友人知人にはエンジニアなどIT職が多いが、利用者は少数派だ。皆、職場で高速インターネットが使えるので、自分で月50ドルも払って利用するまでの価値はないということなのだ。

 eコマースや新たなメディアの伸びは、ブロードバンドの成長にかかっているといわれてきた。そのブロードバンド自体が伸び悩むと、インターネット全体の成長が脅かされる。

(有元)

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