インターネットはこれからのスペイン
11月末にスペインでeコマース関連の講演を行った。ホテルを経営する友人が主催したカンファレンスで、旅行業界の人々が対象であったため、オンライン旅行市場の話を中心に行った。ヨーロッパのオンライン旅行市場は、旅行卸売業者、航空会社、鉄道会社など既存の大手企業が牛耳っている。また、オンライン旅行サイトは、eBooker.com,
Lastminute.comなどのイギリス勢が優勢だ。
スペインではADSLが出始めているものの、多くの会社では、まだ64Kbps のISDNを利用している。若者でもアマゾン・コムすら知らない人がたくさんおり、聴衆者の中にはオンラインで何かを購入したことのある人はいなかった。東京を始めとする世界の大都市では、アメリカのファーストフード店やショッピングセンターなどがあふれているが、マドリッドではそうした店は少ない。個人経営の店が並び、人と人との触れ合いを大事にするスペイン文化に、オンラインショッピングがどれだけ浸透するかという疑問の声も聞かれた。
スペインでは、過去10年、経済が順調に伸びてきた。インターネットはまだまだこれからであり、今後の成長が期待される。
(有元)
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