英語に訳すだけでは駄目
海外の企業、または日本国内の外資系に応募する場合、英語で履歴書を提出することになるわけですが、「英文履歴書は、日本語の履歴書を英訳したもの」と思っている人がいれば、それは大きな間違いです。
日米の履歴書では、フォーマットだけでなく、目的・役割が大きく異ります。もっとも根本的で重要な違いは、欧米(特にアメリカ)の履歴書というのは、自分を売り込むためのマーケティングの道具だという点です。毎年、多数の新卒を雇い、いろいろなポジションに振り分ける日本企業とは違い、欧米企業では初めからポジション・職務が細かく決められており、それに合った人材が求められます。そのため、応募者は、そのポジション・職務に対し、自分が最適任者であることを雇用主に説得する必要があるのです。決まったフォームに表面的なことを書くだけの日本語の履歴書の内容をそのまま英語に訳したのでは、自分を売り込むことはできないのです。
日本の履歴書とはここが違う
では、まず日本語の履歴書と英文履歴書との主な違いを挙げてみましょう。
・市販の定型のものに記入する日本の履歴書とは違い、英文履歴書は自分で用紙やフォーマットを選び、手書きではなく、コンピューターで作成する。書く内容や順序も、自由にアレンジできる。
・アメリカでは、生年月日・性別・家族構成・健康状態・国籍など個人情報については記入せず、写真も提出しない(アジアやヨーロッパでは記入する場合が多い)。
自分に不利になると思われる事項を自ら提出する必要はない。
・日本語の履歴書では学歴・職歴ともに年代の古い順に書くが、英文履歴書は逆の順序で書く。これからすぐに戦力として働いてもらう人の最近の経験がいちばん重要だからだ。
・日本の履歴書は学校名や会社名を並べるだけで仕事・活動内容は詳述しないが、英文履歴書では仕事内容や業績などを詳しく記述する。
・日本では一般に学生時代のアルバイトやボランティアの経験は書かないが、アメリカの履歴書ではアルバイトや課外活動、社会活動など、希望職種と関連があり、自分に有利になるものはすべて記載する。
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