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外資系企業の面接の受け方 〜失敗例〜

どんな仕事で、どんな会社?

 前回、「面接の受け方」を紹介したが、先日、ちょうど偶然、アメリカに住む日本人を2人面接する機会があった。そのうちの1人Aさんが、面接におけるタブーをいくつか犯したので、失敗例として紹介したい。 まず、「どういう仕事をしたいか」という問いに、Aさんは「何でもいいです」と答えた。何でもやりますといわれても、こちらとしては、その人が何をしたくて、何ができるのかを知るために面接をしているのだ。私のほうではオフィスアシスタントの職務内容(Job Description)を用意していたが、Aさんは自分が応募した職がどのような職かも知らずに面接に来ていた。こちらの質問をひと通り終えたところで、「何か質問はありますか?」と聞くと、Aさんは「こちらは、どういう業務をされているのですか?」と聞いた。この人は、応募先がどのような業務内容かも知らずに面接に来ていたのだ。Aさんは、私の知人を通しクチコミで応募してきたのだが、その知人にうちの業務内容やURLを聞き出す時間は十分あった。
また、英語力を見るために、これまで達成してきたことや将来の自分の目標について、英語で書いてもらった。アメリカに11年も住んでいるというのに、その英語のお粗末さにはビックリしたが、それよりも書き終わった後にAさんが放った「適当でいいんですよね」というひと言には面食らった。面接に来て筆記テストを受けて、“適当に答える”というのはどういうことなのだろう。それも、それを面接官に平気で伝えるのだ。
もちろん、Aさんにはその日のうちに断わりの通知を送った。

服装など基礎の基礎

 Aさんももう1人の応募者も、非常にラフな格好で面接に現われた(1人はタンクトップ)。面接する側の私が、まともな格好をしているというのに。私だって、社外の人間と会わないときにはジーンズなどラフな格好で仕事をしているが、たとえ採用する側であっても、面接にはそうしたラフな格好ではのぞまない。 以前にも書いたが、「アメリカだから面接にラフな格好で行っていい」と思っている人たちは、まともなアメリカ企業で面接を受けたことがない人たちだ。
アメリカでは、面接のための衣服やアクセサリー、髪型に関するセミナーを開催する大学や大学院は珍しくない。以前、短期の学生インターンを雇うために、私が卒業したビジネススクールの学生を3人面接したとき、全員、ビジネススーツにネクタイを着用し、うちのホームページを印刷して業務内容を勉強したうえで面接に現われた。こんなことは就職活動の基礎の基礎なのだ。

次回は、このあたりまえのことをやって、アメリカで就職活動に成功した日本人の例を紹介する。

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Revised 2/8/99