
日本ふうの表現では伝わらない
海外に売り込むためには、インターネットの言語である英語、またはターゲットとする国の言語で売り込む必要があります。
実際、英語のホームページを出している日本のサイトは少なくありませが、たいていが日本語版の直訳となっており、いったい何が言いたいのかわからないものが多いのです。通じない英語が使われている場合も多いですが、言葉の問題だけではなく、論理の組み立て方や説得方法が日本語のままなのです。
たとえば、TVコマーシャルがいい例です。アメリカのTVコマーシャルを見たことがある人なら知っていると思いますが、その製品がいかに優れているかを、しつこいくらい説明したものが多いのです。視聴者に自社の製品の優位性を論理的に訴えようとするものです。
一方、日本のコマーシャルは、情感に訴えるものが多く、たとえば眺めのいい風景ばかり映し出され、いったい何のコマーシャルだろうと首をひねっていると、最後にやっと会社名が出るといったものが少なくありません。
日本語の論理から離れよう
日本語の会社案内やパンフレットをそのまま英語に訳したものもよく見かけますが、それを見た欧米人の反応は、たいてい「いったい何をしている会社かわからない」というものです。
日本の会社案内には、経営者の哲学や精神を強調したものが多いですが、カタログ中、哲学だらけでは、具体的な事業内容は伝わりません。欧米の会社案内では、会社の使命(ミッションステートメント)が冒頭に登場した後は、自社のユニーク性や具体的な事業内容に入るのが一般的です。
英語やその他外国語でホームページやパンフレットを作成する場合、日本語の論理にもとづいて書かれたコピーのことはいったん忘れたほうがいいでしょう。英語のものは、初めから英語で書くのです。
人に書いてもらう場合、日本語のコピーを渡して訳してもらうのではなく、「こういうことが言いたい。ここを強調したい」とコンセプトだけを伝えた方が効果的でしょう(いったん、日本語のコピーを読んでしまうと、日本語の論理から離れるのがむずかしいため)。
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