世界で通用するためには
海外に売り込むには

海外に売り込む前に マーケティングについて理解しておこう

マーケティングは全プロセスに関わる

 海外への売りこみ方法に入る前に、まずマーケティングについて話したいと思います。 日本ではマーケティング=広告という意味で使われることが多いように見受けられますが、マーケティングというのは、ひと言でいうと
「顧客のニーズ、要望を理解し、それに合った製品やサービスを創造し提供する」ということです。
すなわち、ターゲットとする市場を見極め、その市場の要求、ニーズを理解し、それを満たす方法を考え出すこと、顧客に満足を提供することによって自社の目的を達成すること。マーケティングとは宣伝だけでなく、市場調査、製品・サービス開発、価格設定、プロモーション、流通と、製品が生まれ、顧客の手にわたるまでの全プロセスを指すのです。

マーケティングを理解していない日本企業は多い

 マーケティングはアメリカで生まれたコンセプトなので無理はないかもしれませんが、マーケティングを理解していない日本企業は多くみられます。
アメリカの企業から「マーケティング戦略を提出してほしい」と言われ、何を提出していいのかわからない、という日本企業が実際に存在します。 事実、営業部門のみでマーケティング部門のない日本企業は多く、いまだに「足で稼ぐ」営業ど根性物語が美徳とされ、飛び込みでも何でもして数打ちゃあたる方式で、顧客を獲得する営業方法を取っているところも少なくありません。 こうした営業方法が効果的な業界もあるのかもしれませんが、ターゲット市場も定めず、戦略や計画なしにただ会社を訪問して営業をするというのは非効率だといえるでしょう。

また、販売先を勝ち取るために、どんな無理難題を突きつけられても、「何でもお引き受けします」とばかりに各顧客からの依頼、要求に応じて、随時、対応するというのは、reactive(反応的)であり、本来、proactive(順向的)なマーケティングとは違います。 一方、各顧客の要望、不満などを営業担当者が吸い上げ、新たな商品企画に組み入れるというのであれば、マーケティングといえるでしょう。

マーケティングのポイントは、まず「ターゲット市場(対象者)は誰なのか」を定義し、「そのターゲット市場にはどのような特性があり、何を欲しているのか」を見極めること(そのためには市場調査が欠かせません)。そして、そのニーズにあった商品・サービスを開発(または既存の商品を改良)することです。

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Revised 2/8/99