一方的な情報収集ではなく有意義な情報交換を
うまく海外の企業とアポイントが取れ、訪問できることになったとします。その場合、ただ相手から情報を聞き出すというのではなく、こちらからも情報提供をしたいものです。
私のところに来られる方にも、2時間も3時間も、次々に質問をして、ただただメモを取って帰られる方がときどきいらっしゃいます。
お互いに情報交換をするというのなら、こちらとしても有意義で楽しいのですが、一方的に質問をされてそれに答えるだけ、それも将来、何の仕事にもつながらないというのでは、「私にとって、その2時間、3時間は何だったのか」と思わざるを得ません。
弁護士のところに行けば、話を聞いてもらうだけで(電話で質問をしただけでも)、15〜20分単位で課金されます。コンサルタントも、一般には、初回のミーティングは無料でも、その後からは有償となります。日本企業からの訪問依頼が多い業界での有名人やコンサルタントのなかには、話を聞かせてもらうだけで1時間500ドル徴収する人もいます。
日本からの訪問が多い企業には、訪問の受け入れに対し課金をするところも現われています。
相互にメリットがあることがビジネスの原則
このハイテク、情報化時代、(少なくともアメリカでは)人々がもっとも貴重だと思っているのは時間なのです。相手の時間をもっと尊重すべきでしょう。
海外の企業が親切に(無償で)話を聞かせてくれるといった場合は、簡単なおみやげを持っていくよりも、たとえば日本の業界に関する概要をプレゼンしたり、日本の市場に関する英文資料などを持参したりしたほうが、とくに先方が日本への進出に興味がある場合、喜ばれるでしょう。
また、両社の情報を交換することによって、そこから新たなビジネスチャンスが生まれる可能性もあります。
「こいつらは、毎回、情報収集にだけ来る」と思われたのでは、次回からは訪問を断わられても仕方がありません。
取り引きを開始しても、自分のメリットだけを考えていては長続きしないでしょう。相手にとってのメリット、相互にメリットがあるということが、ビジネスの基礎なのですから。
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