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いまだに甘い空港警備



物々しい雰囲気のわりには…

テロ以前の空港での警備の甘さについてはすでに書いたが、その後、テロの警告が再三出されたにもかかわらず、警備態勢にあまり改善は見られない。

先月、日本に行く際に使ったロサンジェルス空港(LAX)の場合。 一般車は空港内に入れなかったため、近くの駐車場で降ろしてもらい、そこからシャトルバスに乗った。空港の入口はすべて封鎖され、警官が検問をしていた。いつもなら車がひしめき合い、入口から国際線ターミナルに行くには10分ほどかかるが、空港内に車はほとんどなくガランとしていた。あんなに空いているLAXを見たのは生まれて初めてだ。

手荷物検査所では、自動装銃を持った兵士が数人立っており、物々しい雰囲気だった。中近東系と思しき人たちは、厳しい検査を受けていた。私の横にいた男性はカメラとフィルムを何本も持っていたのだが、そのフィルムを1本1本すべて開けて調べられていた。彼の白人の連れは、私と同様フリーパスだったのだが…。

飛行機に乗る前に、乗客全員が手荷物の検査を受けた。 私はそこで化粧ポーチに安全かみそりを入れていることを思い出し、没収されるかと思ったが、形ばかりの検査で、化粧ポーチまでは見られなかった。 そのときは、「私の乗った飛行機がアメリカの航空会社のものではなく、海外に行く便であったから厳しい検査はしないのか」とも思った。 関西空港を離れる際にも手荷物検査があったが、たいした検査ではなかった。

恐ろしいぐらい鈍感な航空会社

しかし、先週、シカゴ発のアメリカ国内便でナイフなどを所持した乗客が手荷物検査を通過するという事件が起きた。見逃した警備会社の職員はクビにされたが、当然の処置だろう。

この警備会社は、昨年、連邦航空法に反し、犯罪歴のある者を雇っていたということで2億円相当の罰金を支払うなど、その雇用態勢は以前から問題視されていた。同社は35の空港に7000人の社員を配置しており、アメリカの空港警備の40%を担っているだけに、恐ろしい話である。

こうした警備会社を雇っている航空会社にも何らかの制裁が加えられる予定であるが、それも当然である。この航空会社は、私がテロの4日前にカナダに向かった際にも、職員が「荷物は自分で詰めて、常に目の届くところにあったか?」「知らない人から何か運ぶように頼まれたか?」というお決まりの質問さえしなかった。

2カ月前に自社の飛行機が乗っ取られ、自社の社員と乗客が亡くなっているというのに、その鈍感さ、安全・人命軽視の姿勢には憤りを感じる。 同社は、昨年、欠航・遅延便の多さで史上最悪の記録も残しており、元々嫌いな航空会社であるが、私が同社の便を利用することは2度とないだろう。


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Revised 1/1/02




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